【感想】 5辛大盛がさえないボクに教えてくれた幸せな生き方【ネタバレ】
「5辛大盛がさえないボクに教えてくれた幸せな生き方」
を読んだので、感想を書いていきます!
価格:1,430円 |
〜目次〜
あらすじ・基本情報
『5辛大盛がさえないボクに教えてくれた幸せな生き方』
著者 一圓克彦, 小川仁志, 中司祉岐 (敬称略)
基本的には物語形式。
主人公はタイトルの通り、公務員の専門学校をサボってバイトばかりしている、タイトル通りさえない男性。バイトも好きで頑張っているというわけではなく、頭の中は半分くらいは愚痴をいいつつ、他にやることもないのでバイトをしているという有様。
そんなとき、ひょんなことから、破天荒な経営コンサルタントの一圓(いちいん)という男と、穏やかな哲学者の小川という男に出会う。彼らの教えを受けて、さえない主人公が人生の主導権を取り戻していく、というストーリー。
感想(ネタバレあり!)
幸せとは何か
読んでよかったなと思ったのは、やはり一圓さんと小川さんの言葉がためになるなあと思ったこと。
本書の中で最も好きだったのは、 一圓さんが主人公に
「幸せって何ですか?」と聞かれて
「『幸せが何か』を考えなくてもいい状態」
と答えた言葉。個人的には目からウロコだった。この一文を読んだだけでも、買ってよかったと思ってしまった。
このシーンは、一圓さんの胸の内が珍しく穏やかな口調で放たれる貴重なシーンでもあり、物語のクライマックスでもある。
その演出も相まって、いいこと言うなあと思ってしまった。
幸せが何か考える前に、目の前のことを真剣に考えて、自分があるべきだと思う行動をとり続けていれば、『幸せが何か』は考えなくてもいい状態になるのかなと思った。
冴えない主人公は誰の中にもいる
あと、この主人公。本当にさえない。
入社したての会社で、一度失敗しただけで無断欠勤をし、恋人に愚痴をこぼし続ける姿は、とても将来成長が見込まれると思えない。
面倒くさがりで、ズルくて、真剣に向き合うことから逃げ続けている。
この主人公を見て、会社に入ったばかりの自分を思い出した。
すっかり面の皮が厚くなってしまった今、失敗なんて誰にでもあるし、失敗しても足取り重くも翌日出社する。
しかし、新入社員時代、一度の失敗で本当に自分を責め続けたことや、先輩社員の前でどんな顔をしたらいいのかわからなくて消えてしまいたいと思った気持ちを、主人公を通して鮮明に思い出した。
そして、今でも物事に真剣に向き合って決断を下すのは荷が重い。そう思っているのを見ないふりしている自分にも気づいた。
自分のすぐ近くにいる後輩も、もしかしたらこの主人公のように、どんな顔したらいいかわからないと思っているかもしれない。そう思うようになって、ほんの少しだけ後輩への気遣いを増やそうという気になったのも、読んでよかった点だった。
おわりに
ポップな表紙とは裏腹に、刺さる言葉が多い本だった。
何かしら「このままでいいのかなあ」という思いを抱えている人は、手に取れば
考え方の参考になる教えに出会えるのではないかと思う。
価格:1,430円 |